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TIER GARTEN
埼玉県入間市のトリミングサロン、ペットホテル、トイプードル専門ブリーダー
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危ない避妊と去勢のお話し
一度は避妊・去勢(以下(避去))について考えた方は多いと思います。
又、動物病院(以下(病))でしたほうがいいと勧められた方も多い事でしょう。
飼い主(以下(主))の理由としては、性格がおとなしくなる、とかマーキングしなくなる、とか。
一方、(病)で勧められる理由は病気しなくなる、とか長生きする、とか。
更にデメリットとしては太りやすくなることくらい・・・なので早い方がいい、と。
では実際どうなのか?というのが今回のお話しです。
まず、性格がおとなしくなる?
性格ではなく、性欲が抑えられる、と言った方がいいでしょう。
自慰行為をしたり、マウンティングしたりという事がかなり少なくなります。
その為に気性の荒さも抑えられたように感じるのだと思います。
男性ホルモン、女性ホルモンの分泌場所を取ってしまうのですから当然と言えば当然です。
(これに隠された大きな問題については後述します)
但し、噛み癖がひどいからと言うような理由ではほぼ変わりません。
これは性格ではなく、躾けの問題だからです。
この凶暴性を抑える、という点で当店では過去2度だけ(避去)を勧めた事が有ります。
1度は兄弟犬が他犬を見ると所かまわず血まみれの喧嘩を始めてしまう、というケースでした。
スクールにも通ったが変らない、という事でした。
当店でお泊りする際も他犬はいるので、兄弟同士顔を合わせないようにするのが大変でした。
しかし喧嘩して何処を怪我した、と言う話を来店の度にされるので、命に係わる前に(避去)を勧めました。
手術した結果そういう喧嘩は無くなったということでした。
2度目は、普段から噛み癖のある子だったのですが、特にオシッコをした後そのシートを守るかのように、
かたずけようとすると噛むので手出しができないというものでした。
(主)さんは普段からほとんど触ることができないと言うし、我々もお預りした際その対処には大変苦労しました。
それで(避去)をお勧めし、手術した結果すっかり穏やかになり、抱っこができるようになったと喜んでいました。
この2度の例において、後述するとした問題についてどうだったのかは確認できていません。
なぜなら術後おとなしくなったらご近所に預かってもらえる、という事で来店されなくなってしまったからです(;'∀')
次に、マーキングしなくなる?
このマーキングという行為は犬の本能です。
しかしどの犬もする訳ではありません。
食が旺盛か細いかみたいなもので、テリトリー意識が強い、弱いとかの個性の違いでしょう。
マーキングするといってもトイレの躾ができていて、一頭飼いの自宅なら問題になることは何も無いでしょう。
問題になるのはよそへ行ったときや、多頭飼いの場合です。
要するに他の犬の匂いや、オシッコの臭いがする場所です。
しかし、よそのお宅やお店に行く前にしっかり用を済ませておくとか、マナーベルトをするとかで対処出来る筈です。
そういった対処をせずに安直に(避去)してしまうのはそれによる問題を知らないからです。
ましてや足を上げる癖がつく前にした方がいい、などと勧められて幼犬でするなど更に問題を大きくしてしまいます。
そして(避去)したからといってマーキングしなくなる確率は?高いとは言えないのです。
ここまでは(主)の理由としてあげられるものですが、その殆どは人間の勝手な都合です。
(主)としての責任や対処をきちんと施していれば、(避去)しなければいけないケースは少ない事が理解できます。
それでも尚やむを得ないケースは、人と犬、双方に危険が有り、共に生活することが困難というような場合だと思います。
では次に(病)側の理由についてです。
病気にならない?病気のリスクが減る?
こう言われて、何の病気にならないのか?どういう病気のリスクが減るのか?まで詳しく聞く方はどれだけいるでしょうか。
おそらく、多くの方は「それはいい事だ」と単純に受け取ってしまいます。
(病)の多くは聞かれないのをいいことにそこまで説明しない。
これにより(避去)する事で(主)は何も病気しなくなる、みたいに思い込み、
(病)は何も、とは言っていない・・・・と、こういう図式になる訳です。、
実際、子宮・卵巣や睾丸を摘出してしまうわけですから、当然それに係わる病気はなくなるでしょう。
例えば子宮蓄膿症や卵巣腫瘍、睾丸腫瘍などです。
しかし、よ~~く考えてみてください。
あなたのこのワンちゃんはこの病気を発症しますよ、と言っている訳ではないのです。
犬全般にこういう病気が有りますよ、と言っているのです。
当然です。
生きている限りあらゆる病気の可能性は有ります。
他の病気のリスクが減る訳でもありません。
それどころか後述する問題を抱えているのです。
それなのに何故この病気にだけ特化して手術をすすめるのでしょう?
理由は・・・想像できますよね・・・
そして次は、長生きする?です。
動物取扱業界の研修会でも、(避去)により寿命が延びると獣医が当然のように話すビデオが流されました。
しかし、このビデオでもそうですがこれまで寿命が延びるという根拠を示すデータを見た事がありません。
是非長生きするというデータを見せて頂きたいと思います。
データ無しの話であれば、当店のお客様、私が飼っていた犬(実は私も昔、初めての飼い犬から数頭、
(避去)の怖さを知らずに安易にしてしまった事が有るのです)においては皆3歳から11歳で亡くなっています。
もちろん、それ以上長生きしている子も沢山いるでしょうが、少なくとも私の周りの此の現実からは、
到底寿命が延びるとは思えないのです。
むしろ寿命を縮めるものだと思っています。
最後は(避去)が抱える大きな問題についてです。
デメリットが太りやすくなる事くらい、などというのは大きな間違いです。
(避去)というものは女性ホルモン、男性ホルモンを分泌する場所を取ってしまう行為です。
従ってホルモンのバランスに異常を来たします。
その事がどのような症状となって現れるかは個々に違います。
言い方を変えれば、どんな悪い症状となって現れても不思議はないのです。
ホルモンのバランスというのはその位重要なのです。
ましてや一番大事な成長期の未成犬にこれをやるという事が、どれ程ダメージを与えるのか想像できる筈です。
寿命が縮む、としたらとんでもなく大きな問題です。
そしてもうひとつ多く現れるのが、皮膚病です。
特に去勢した雄犬では7,8割の確率で発症するという感覚を持っています。
抗生物質を飲ませたり、薬用シャンプーで洗ったりしても、その場しのぎであって治ることはありません。
一生、犬も飼い主もこの皮膚病に苦しむ事になるのです。
沢山、沢山見てきました。
痒くて、痛くて、臭いのです。
とても可哀そうなのです。
人と犬、双方に危険が及ぶような場合は致し方無いかもしれません。
或いは停留睾丸のように、癌化する原因をはっきり持っている場合なども致し方無いかもしれません。
しかしその場合でも、癌化する確率は中年以降が高いという事なので、未成犬で(避去)する理由にはなりません。
これまで述べてきたような色々な問題が有りながら、それでも(避去)する理由がちゃんと有りますか?
大事な家族の一員に、苦しみを与える行為が本当に必要ですか?
犬は自分で選べません。
決して勧められるままに安直にやってしまって良いものでは無い、という事は解っておいてもらいたいと思います。